楽器業界から花づくりにまっしぐら 💐花
花づくりにまっしぐら! ~楽器業界からの転身~
Yさん(40 歳)(平成31年4月就農)
地区の農業概要
『新ひだか町』は日高振興局の中央に位置し、日高山脈を背に雄大な太平洋を望む人口約22,000人の中核都市です。海洋性気候で、道内でも比較的温暖で冬の降雪量は少ない地域です。国内最大の軽種馬産地として知られ、新ひだか町の基幹産業となっています。
平成18年「静内町」と「三石町」が合併して誕生した町は、馬産地ならではの堆肥と日高山脈からのミネラル豊富な水を使用した水稲、野菜・花、肉牛の生産も盛んです。和牛の「みついし牛」、ミニトマトの「太陽の瞳」、デルフィニウムを主とした「みついし花だより」は、市場関係者らから高い評価を得ています。
動機から就農まで
東京の楽器業界でフルート製作をしていたYさんは、「美術や音楽が好きでモノづくりも好き、という事がいい感じで合わさって…」と動機を話します。そこから「きれいな花作りをしたい。」という目標を決め動き始めました。新・農業人フェア(東京)に参加し、北海道農業公社から花き・単身女性受け入れ可能な新ひだか町の紹介を得て訪問。対応の職員から農業体験を勧められ、フェアの2か月後には新ひだか町で5日間の農業体験を行い「ここで花作りがしたい。」という気持ちを固めました。体験終了時に就農研修に申し込み、翌年4月から新ひだか町農業実験センターで花栽培の研修を2年間受け、平成31年4月より農業経営をスタートしました。
経営概要
面積2,000㎡(借地)、花きハウス5棟(1,155㎡)
ボイラー2台、選花場、冷蔵機1台、防除機1台、トラクター1/2台(共同)
就農支援制度の活用
農業次世代人材投資資金(準備型・経営開始型)
青年等就農資金
新ひだか町の農業実習制度
経営スタイル
こうやったらもっと上手くいくかな、と考えながら作業をするのが好きです。思いついた事はノートに書き出し、頭の中を整理し方針を決めます。自分のやり方に合っていたら取り入れ、合わなかったら修正していく。他の情報は参考にとどめ、自分で考え、決めていくという事を大事にしています。
経営の目標
ごく普通の農家として、自分の暮らしが自分で満足がいくように収入と時間的余裕が持てるように経営をしていくこと。
就農前の情報収集
ハウス資材や農業機械など、規模縮小をする農家の方などから譲り受けるなど、中古物件情報を関係機関や地域農業者などから口コミで受け、初期投資を極力抑えることが出来ました。
研修中、技術習得はもちろんですが地域の人脈づくりも重要と思います。
もともと賃貸住宅が少ない地域で住宅の確保に苦労しました。手頃の借家情報など早めに動き、地域からの支援も欲しい分野です。
後輩へのアドバイス
自分のやりたいとことが決まったら、ぶれずに目標に向かってください。最終的には、自分で決めていく事が多く出てきます。自分の気持ちに素直に向き合い判断していけばいいと思います。
今後の経営に向けた方向性
自分がハウス資材を譲り受けた高齢の農業者の方がいたように、次に渡せる若い農業者が次々と入ってくれる町であって欲しいと思います。就農を自然に後押ししてくれた新ひだか町に感謝しています。