酪農 男性
<米国農業研修報告書>
僕は、2005年6月の始めから次の年の6月まで約一年間アメリカで実習しました。実習した所は、バーモント州(2005年6月中旬より9月中旬までの3ヶ月間)とカリフォルニア州(2005年9月中旬から2006年6月中旬までの9ヶ月間)の2つの農家でした。
最初のバーモントの農家さんは、酪農を楽しもうという感じがした所でした。アグリツーリズム等、非農家の人との交流を大切にしたり、たくさんの種類の動物を飼ったりするなどして経営を楽しんでいるようにも見えました。あと面白いのがムーブハウス(動く小屋)で、鳥小屋なのですが、トラクターで引っぱる事が出来て、毎朝牛の牧場の移動とともに小屋を動かすユニークな仕事もしました。その小屋も手作りで、手伝いに来た大工の人と一緒に仕事の話などをしたことも良い思い出です。 あと、この農家さんの特徴は、牛をより自然の環境で育てようとしていることです。その結果、牛のストレスを減らすことができ、さらに支出も減らせることです。僕がこの牧場にいた時はまだ準備段階でしたが、いろいろ興味深い話を聞かせてもらいました。 次の農家はカリフォルニア州にあり、たくさんの牛を飼っていました。僕の仕事は、搾乳や餌やり等、基本的な仕事の繰り返しでした。この農家は前回の農家とは違い、乳量をどんどん増やし、そして乳質も良くしていくというものでした。いい牛をどんどん増やし、悪くなった牛をすぐに出す(処分)という経営の仕方で、これは僕の理想に近いやり方でした。だけど、実際にやってみて疑問に思ったのも事実です。 ここの農家さんの特徴は、ボスが酪農をする前は牛の繁殖の研究をしていたらしく、繁殖の事はとても詳しい人でした。だからこの牧場にはたくさんの優秀な牛がいて、中にはある部門で全米ナンバーワンを取った牛もいたほどです。ミーティングを週一回一時間程していたのですが、その時間を使っていろいろと繁殖の事や血筋の事などを教えてくれたりもしました。英語の理解に苦しんで、少ししかわからなかった事が残念でした。 ここの牧場は、僕の他に8人の海外実習生が働いていました。彼らと9ヶ月生活を共にしていろいろな事が学べました。各国の家庭の違い、文化の違い、仕事の違い、それに日本に対する考え方(イメージ)も少し理解できたように思います。家は狭かったけど、おもしろく思い出深い日々でした。各国の料理を作って皆で食べたり、中には僕の名前を入れた歌を作って歌ってる人もいました。彼の国の言語で歌っていたのでどんな意味なのかはわかりませんでしたが。 今回の研修で得た成果・収穫はたくさんの経験を重ねた事だと思います。仕事だけではなく、友人や出会った人達との交流も僕はこの研修の収穫だと思っています。 |