農業 男性
<アメリカでの研修を終えて>
私はアメリカでの2週間の英語研修を終了した後、ノースダコタ州のジェームスタウンにある家族所有の大規模経営の農場に派遣されました(1965年創立)。現在ここの農場では、大豆2,600エーカー(1,053ha)、トウモロコシ1,500エーカー(608ha)、ひまわり600エーカー(243ha)、小麦150エーカー(61ha)などの栽培がされています。
ここは、自家の経営と比較して機械や経営の規模がかなり違う事に最初驚きました。私は、テレビのニュースでアメリカの小麦の収穫作業を見たことがありますが、本当に実際に体験した事は私にとってすごく貴重な体験のひとつとなりました。 収穫では、大豆ととうもろこしといった二大穀物を大型コンバインで9月と10月の二ヶ月間かけて収穫作業を行いました。コンバインのオペレーター作業はアメリカでの体験が初めてであり、最初は農場主さんと共にコンバインに乗り大豆畑で操作方法を教わりました。 収穫作業は5台の同じ機種のコンバインが同じ畑で一斉に収穫を行うシステムをとっており作業機械も大きく、さらに収穫面積が広い為1日約86エーカー(35ha)のペースで収穫作業をしました。収穫作業時には機械のメンテナンスがとても重要な作業であり、毎日始業時に機械のオイル類の点検と各連結部分にグリスを注す給油作業が収穫時の仕事として与えられました。また、収穫時は常に危険が伴い慎重さが求められ自分の操作した農業機械に対して責任を持ち作業をする事の重要さを再確認することになりました。そして、今回のコンバイン収穫作業体験は私が自家で経営していく中できっと役に立つと思います。 私は農場で働く専門技術員さんに付きロシアからきている3人の研修生と共に機械の回転部分のベルトやチェーン類、プーリーなどの破損箇所の修理などを手伝い技術向上に励みました。修理作業には大型ドリルや金属切断機なども使用し常に安全を確保し慎重に作業を行いました。 さらに、農場外の体験として農場主さんと共に多くの農業機械の展示会や農作物の説明会に出向き新しい大型の機械視察や新品種の作物の説明を聞きました。 ノースダコタでの生活では住居としてトレーラー型の家(通称;トレーラーハウス)という住居が与えられ毎日の食事は自分で購入し調理を行い自炊していました。食事は朝食、昼食、夕食の3回を自分で料理をする事はとても大変な事だし、忙しい時に料理をすることが嫌になることも時々ありました。また、ご飯を毎日作るのは大変だと母に感謝しました。 農場主さんには、3人の子供さんがおり9歳と7歳の二人の息子さんと5歳になる一人の娘さんがいて時には一緒にテレビを見て外ではサッカーやキャッチボールなどをして遊び楽しい時を過ごしました。また時にはダンスパーティーにも招待され恥ずかしながらも楽しく過ごしました。ここでは、2005年6月から12月までの約7ヶ月間お世話になり。多くの技術向上とたくさんの楽しい思い出を作る事ができました。 現在ここでは、松材生産10,000エーカー(4,050ha)、のウズラの生息環境、カモの池、母屋の近くには多年草庭園と温室があり、狩猟管理と木材生産や多年草庭園3エーカー(1.2ha)の管理が主の経営内容です。また、温室ではオダマキ、パンジー、スミレ、ケシ、キンギョソウ、カメリアといった数多くの花が栽培され、庭園の花壇に移植されています。ここでは冬の間は、松の樹木の刈り込みや庭園植物の手入れ、多年草の植え付け、温室での播種作業を冬季の主な作業として行いました。 他の作業としては花卉、野菜、植木の移植作業と潅水管理と植物に液肥散布を行う温室管理が主な作業でした。移植作業は花と野菜の苗をセルトレイから5インチ(12cm)のポットへ移植し、潅水作業と液肥散布は造園師さんから指示された植物に適切な量を施用しました。ここでは芝刈り機、トラクター、樹木用バリカンなどの造園機械の操作技術と管理技術を身につける事ができました。 今回のアメリカ研修では畑作部門と園芸部門の農場2つの農場に入り専門的な作業に従事し機械操作やたくさんの技術を得る事が出来ました。そして研修では各国から来た沢山のすばらしい目標を持った友達が出来た事が一番の思い出です。 今後、自家ではアメリカで見てきた経営体系や機械利用体系などの考え方や操作技術を応用して農業経営をしていき、後に地域の青年部に入りアメリカでの体験を活かし地区の優良農家を目指して活動していきたいと考えています。 |