仕事 ステファンの牧場の概要は、搾乳牛が約150頭、未経産牛約100頭、耕地面積200ha、70haがデントコーンで残りが牧草です。デンマークでは普通の大きさの農家ですが、唯一アブノーマルなのが三回搾乳という点です。そのため労働力が余計に要るので、ワーカーが3人もいるわけです。3回搾乳をしている理由を聞くと、「治療牛にはこれがいい」とか「乳房にいい」などとモゴモゴ言っていましたが、複雑な英語はわからないので、要は金が欲しいのだなと、こちらで勝手に要約させてもらいました。
私の休みは隔週に3日、金、土、日に休みを貰っていました。でも、三回搾乳しているので、色々仕事が重なると2日になったり、搾乳だけは仕事をしたりと、普通に3日休めない日もしばしばありました。それに、一緒の家に住んでいるので、休みの日はなんとなく落ち着きませんでした。3日休みということは、一人足りない状態で、3日間の通常どおりの仕事を、通常どおりの時間に終わらせなければならないということです。そのためロマンが3日休みのときは残像が残りそうなぐらいの速さで仕事をしていました。
私の仕事は1日約10時間労働で、早朝から夕方までのパターンと、朝から夜中までのパターンと二つのパターンがあり、ロマンと1週間交代で交互に仕事をしていた。朝番をしたあとに夜番をしたりするためなかなか生活が安定せず、慣れるまでに時間がかかった。朝からのときは朝6時から9時、9時半から12時、1時から6時まで、夜中までのときは朝9時半から12時、1時から6時、8時から11時半までとなっており、夜搾乳が朝遅いとはいえ辛かった。
私の仕事内容は、搾乳、牛押し、給餌、掃除です。搾乳は基本的に昼が私の担当で、朝はドーター、夜はステファンが担っています。ユラが辞める前はユラが昼と晩の搾乳をしていた。朝と晩の搾乳もステファンやドーターが用事などの時にはすることもあった。ただ、二人の結婚記念日には、二人とも「今日、私たち仕事は一切しないから」とのことで、三回の搾乳を一人ですることになった。少々腹が立つので、会場に乱入してやろうかと思いました。
牛押しは、パーラーに牛を押し、牛床を掃除して藁をいれる仕事です。これは比較的簡単で、実習に行った日からこの仕事を教わった。まず、牛をある程度押した後にゲートを閉め、牛床の糞や汚れた藁をシャベルで取り、タンカルを牛床にひき、スタイキャットという小さいショベルのようなものに、藁を入れながら床を掃除する特殊な機械を取り付けて使います。運転に多少のコツがいるので、難しかったです。
給餌は主に私は作るだけで、給与するときはステファンが給与していました。といっても、昼の搾乳担当になってからは、給餌はほぼステファンだけでしていました。ステファンはバンカーサイロが足りないらしく、スタックサイロがひしめき合っていました。このサイロがやっかいで、タイヤではなく土を載せてあるので、取り除くのにえらい手間がかかります。しかも、ビニールを傷つけないように取るために、手作業でシャベルを使って土除けするので、しんどい思いをしました。将来は有望な土木作業員になれそうです。
ステファンの仕事の信条は「アクティブではなくイフィクティブに仕事をすること」だそうです。つまり効率的に仕事をしろということで、仕事を工夫すれば急がなくてもきっちり終わらせることが出来ることを学びました。 |