ニュージーランド

野菜 男性

<ニュージーランド農業研修報告書>

私は、農業公社様の海外農業研修プログラムに参加させていただきました。2018年4月7日から2019年2月6日までワーキングホリデーでニュージーランドに滞在し、様々な経験をしました。

初めの1ヵ月は、オークランドのマルグリットさんという女性のもとでホームステイをしながら語学学校へ通いました。マルグリットさんは、ホームステイの受け入れは何度も行ってきたそうで、過去に受け入れてくれた様々な生徒さんのお話をしてくださいました。

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また、マルグリットさんは料理上手な方で、ラザニアやバターチキンカレーなど、とてもおいしい料理を振舞ってくださいました。夜には英語の勉強になるようにと、テレビ番組を見せてくれ、番組の解説をしてくださいました。マルグリットさんはとても優しい方で、休みの日は海や山など、ニュージーランドの自然を堪能できる場所へ連れて行ってくださいました。特に海はとても綺麗で、遠浅のどこまでも続く青い水平線は感動的でした。

語学学校ではブラジル人のアレックスとサウジアラビア人のアリと仲良くなり、放課後に学校のカフェスペースにある卓球台で卓球をしたりしました。アレックスとは何度かバーに呑みに行きました。

1か月が経つと、オークランドからトコロアという場所へ移動し、ホリデーパークに滞在しながらナースリーで材木用の苗木の株分け作業をしました。ホリデーパークは、キャンプ場のようなところで、屋外にシャワートイレとキッチンがあり、キャンピングカーで寝泊まりをしました。トコロアは5月頃からどんどん寒くなっていきましたが、キャンピングカーは断熱性がほとんど無く、ベッドは薄く、掛けるものも薄い毛布1枚でした。最初に借りていた暖房は弱く、冬用のウィンドブレーカーの中に3枚着ていても寒さで目が覚めるほどでした。

ナースリーでの午前中の仕事は、パインツリーという木材向けの針葉樹の親株から、基準サイズの新芽を切り取り、箱に詰める作業。午後は切り取った芽を土に植える作業でした。時給の仕事でしたが、一定の基準を超えると、植えた距離に応じて歩合制にもなりました。

冬が終わりに近づくと、30~50cmに育っている苗木を引き抜き、根を一定の長さに切りそろえる作業に変わりました。この作業は引き抜くのにも根を切るのにも握力を必要とし、慣れない頃は手に力が入りにくくなり、翌朝には曲がった指が伸びないこともしばしばありました。また、根の土を払うときに体にたたきつけるため、体も痛くなりました。この作業も株分け同様、時間内に一定量の箱詰めができると、歩合制になりますが、株分け作業よりも基準は厳しいように感じました。

そんな、仕事も生活環境も厳しい中でしたが、週末には仕事仲間と料理を持ち寄ってパーティーをしたり、ピザパーティーをしたり、誕生日パーティーをしたりして、食べて飲んで喋って楽しみました。また週末は、ホリデーパークの管理人さんの一人が車を出してくださり、少し遠い大きい町まで行き、観光やショッピングにも行けました。

ナースリーでの仕事がひと段落すると、次の仕事までの間に北島を回って観光しました。ワイトモ、タウポ、ロトルアなどを回り、タウポ湖や国立公園、温泉の湖などニュージーランドの壮大な自然を堪能しました。観光の終わりごろは、オークランドへ戻り、再びマルグリットさんのお家にお世話になりました。

10月の頭からは南島へ渡り、モトゥイーカでシェアハウス生活をしました。モトゥイーカでの仕事の前半は、キウイの生長点のクラッシング、未熟果の間引き、蔓の巻き付け作業。後半はリンゴの間引きでした。キウイの仕事は、真上を見上げながらの作業で首の痛みとの戦いでした。リンゴの作業は、3m程あるハシゴに上りながらの作業であり、ハシゴの移動や強い日差しの炎天下の中で、体力の消耗が激しい仕事でした。北海道と比べ、日差しは刺さるように強く、暑いというよりは痛かったです。

南島でも、仕事仲間と夜バーへ行ったり、パーティーをしたり、朝まで呑んだり、海へ行ったり、日本より3時間早い年越しのカウントダウンライブに行ったり、初日の出を見に遠出したりして、楽しい思い出をたくさん作りました。

私はモトゥイーカでの仕事を1月の半ばまで続け、その後はシェアハウスで仲良くなった人と、南島を回り観光しました。

クライストチャーチ、テカポ、ダニーデン、クイーンズタウン、そしてニュージーランドの最南端ブラフ。クライストチャーチでは数年前の地震で被災した大聖堂を見たり、テカポ湖の満天の星空を堪能したりし、ダニーデンのオモチャのような欧風の街並みはとても自分好みでした。クイーンズタウンでは、アイスバーという室内が氷漬けになっているバーで氷のグラスでカクテルを楽しみました。ブラフでは世界最南端のマクドナルドにも行きました。

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4月7日から2月6日までの10か月間と短い期間でしたが、様々な国の人たちと交流し、地元の人たちに優しくしてもらい、同じプログラムでニュージーランドへ行った北海道の人と共に学び、充実した毎日でした。しっかり英語を喋ることができれば、さらに多くのことを経験できたはずだと、今では後悔しています。またワーキングホリデーでどこかの国へ行ってみたいと思える素晴らしい出会い、経験が豊富な海外研修でした。

最後になりましたが、現地でサポートしてくださった、宣子さん、手続きをしてくださった北海道農業公社の方々、ニュージーランドへ行かせてくれた両親には感謝してもしきれません。どうもありがとうございました。